和歌山にも、全国に知られていない風習や特産品がまだ沢山あります。それらは地元の方にとって見慣れているために、魅力的に見えづらいものです。しかし、地元で見慣れた特産品にこそ、連綿と続く歴史の中で引き継ぐべき魅力的な生活の手触りがあります。 そこで、我々は、様々な人が集まる、日々の食糧調達の場所で、ゆるやかに再認知されるプラットフォームを作ること、また、特産品の良さを再発見することで得られる価値をこの施設にもたらしたいと考えました。 ロックスターファームズは、南海和歌山市駅再開発、商業棟のキーテナント食料品店として計画。駅直結で、通勤通学、ビジネスや和歌山観光の入口として、様々な目的を持った人が行き交います。 ここでは、和歌山特産品の生産者と、日々の食材を扱う複数の専門店主が「共和的」に店内で商品を融通し合い、調理して販売することを可能にしました。地元生産者売場では、フードカートのような可動式什器で、個性的で独立した店の集積として、産直野菜もお土産品も同じ可動式什器で販売しています。 道の駅や産直市場では、普段は野菜なんて買わないようなおじさんが野菜をお土産として買っていきます。この経験から、地方の産直野菜は、産直と分かる什器に並べ、発送可能にすることで、お土産に変化する瞬間を作り出すことができます。その逆に、お土産品は、箱ではなく小分けにすることで、おやつに変化する瞬間を作り出すことができました。 和歌山の食に関わる文化を日常生活の中に溶け込ませることで無意識に文化を繋ぎ続けることができる仕掛けで構成されています。 画像をもう一度見る