セイボリー
Savory
Nakagyo-ku,Kyoto
京都の中心部に建てられたビルの屋上に、丹波から運んだ畑土で作られた屋上農場を眺める、フレンチレストランの計画。 畑土は深さ500MM、重量300T、雨を含むと500Tにもなるが、ここで育つ野菜は通常の畑とかわることなく、一般的な屋上農園とは本質的に異なり、まさに畑を切り取って移植した規模である 。里山には、傾斜の高い方の山のへりに家屋があり、畑を一望にすることができる。小川が流れ、その近くには水生の樹木が育ち、風が流れ、光が様々な陰影を作る。 ここでは、客席に里山の高低差を作り、畑を一望にでき、光の映りこみを増幅させる天井の適度な光沢があり、水に近いところには水生の木材を使い、丁寧に里山を再現した。 竣工後、初めて迎えた秋には、畑の土から生まれた虫たちの心地よい音色が聞こえた。